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「倭僑」の本来あるべき姿を探る(中)~ASEAN、そしてラオスが熱い
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2014年1月23日 07:00

<お米を作る農地が乾季には遊休地となる>
 ――ラオスの農業に注目していると言われましたが、具体的にどういうことですか。

 荻坂昌之氏(以下、荻坂) ラオスでは労働人口の8割は稲作を基盤とする農業を営んでいます。ラオス人の主食はもち米です。毎年約220~250万トンの米が生産され、雨季は稲作、乾季は野菜等の栽培をしています。ラオスは東南アジアの中で、最も経済的、教育的に遅れた国の1つでGDPは低いのですが、食料は豊富で、飢餓に陥る危険性は低いと言われています。
 メコン川流域は降雨量に恵まれ、土壌が肥沃なため葉菜類の栽培も多いのです。パクセー市郊外のボロベン高原は良質なコーヒー、キャベツ、ジャガイモの産地であり、コーヒーはラオス最大の輸出農作物となっています。

 企業誘致の1つの方法として、ラオスの肥沃な農地を活用、農業をおこなってはどうかということです。今、日本からは(株)ツムラが進出して漢方薬の栽培を行っています。

赤坂総合事務所 代表 荻坂 昌之 氏 私ども、赤坂総合事務所のラオス法人(OGISAKA SOL Co. Ltd)でも、お米を作る農地が乾季には遊休地となるので、約5,000ヘクタール借り受け小豆栽培をしています。今後さらに拡張していくつもりです。すでに2回収穫を行ない、少量ですが日本に輸出しました。ただし、あくまでも本格的な輸出は中国など、日本以外の国に目標をおいています。日本の場合、JA等クリアーしなければならない障害が多いのもその理由ですが、これから需要が増す東南アジアの食料事情対策を視野に入れているからです。

 このことはラオス政府からも、農民からもとても感謝されています。それは、農民には借地料を払い、トラクター、肥料など必要なものは当社で調達、彼らは耕作するだけで、生産物は応分の金額で買い上げる約束をしているからです。買い手が一番重要なのですが、彼らにはそのリスクがありません。彼らが政府に支払う借地料は同額で、短期間の借地料(当社から)、生産による収入等が入ります。地元農民の総収入は2倍近くになり、このことが農民たちの生活向上につながっています。

<世界最先端と言われる日本の医療機器>
 荻坂 農業の他に、注目しているのが医療分野です。安倍首相が今回ラオスを訪問した際、日本・ラオス共同声明と一緒に、日本国厚生労働省とラオス人民民主共和国保健省との間に「医療分野」の覚書を交わしています。これは、トンシン首相がこれまで日本が実施してきた保健医療分野に対する協力を評価、両国首相が同分野で協力を強化していくことに一致したことによるものです。

 いくつか項目があるのですが、私が注目しているのは、日本の経験や技術が世界最先端と言われる、遠隔医療や電子カルテと言った医療機器に関する分野です。今までも、日本は中古医療機器とか、とても狭い範囲での輸出等は行なっていますがそれではダメなのです。この点、シーメンス等欧米の攻勢は凄まじく、ぼやぼやしていると、覚書など結んでも実質的なビジネス的恩恵は持っていかれてしまいます。例えば、日本にはMRIやCTの分野では東芝・東芝メディカル等世界に冠たる会社があります。ぜひ積極的に、経産省、日商等が足並みを揃えて攻勢をかけて欲しいと思います。

(つづく)
【取材・文:金木 亮憲】

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